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『孫子』 孫武/浅野裕一/講談社学術文庫 …> [関連書籍] |
春秋時代の孫武が著わし、二千年以上も読み継がれた名高い古典は世界最古の兵法書として、
また人間界の鋭い洞察の書として親しまれ、今日もなお組織の統率法や心理の綾を読みとるうえで
必読とされている。 本書は、従来のテキストより千年以上も古い前漢武帝時代の竹簡文に基づく。 |
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■孫子(そんし) - 生没年:前535年? - ? 姓:孫 名:武 字:長卿(『新唐書』による) 出身地:斉国 …
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春秋時代に活躍した兵法家。呉王闔閭に仕えて将軍となる。伍子胥らとともに富国強兵に努め、
楚の都を侵して滅亡寸前にまで追いやり、中原諸国を威圧するなど、呉の覇業に貢献した。
次代の夫差が即位すると、官を辞して呉から去った。 戦国時代・斉の軍師 孫臏の祖先にあたる。
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■『孫子』について …
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『孫子』(1巻13篇)は春秋時代 呉に仕えた孫武の著作といわれ、武経七書の一に挙げられる。
内容は主に侵略に関する戦術論であるが、決して戦争を煽るものではなく、慎重論が前提にある。
また処世の教訓となり得る名句も多く、『呉子』とともに「孫呉の兵法」と並称され尊ばれてきた。
これまで『孫子』の著者は、孫武の子孫にあたる戦国時代 斉の孫臏であるという説もあったが、
1972年、山東省の漢初期の墳墓から『孫臏兵法』が発見され、論争に一応の終止符が打たれた。
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■本頁について
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『孫子』 13篇(講談社学術文庫版は70章)のすべてについて、各章の概要・重要文句を抄出した。
各篇の章立て・書き下し・注釈は、『孫子』(浅野裕一/講談社学術文庫)、『新訂 孫子』(金谷治/岩波文庫)による。
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※本頁は上記本の補助的な目次・ガイドを目指し作成しています。現代語訳や注釈等は訳本をご確認ください。
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■孫子(そんし) 1巻13篇 約5,790字
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01 計篇(けい・始計) - 自国と敵国の状況を比較し、勝算を計謀することの重要性を説く篇 凡4章
├01 兵は国の大事なり。死生の地、存亡の道なり。
├02 勢(せい)とは利によりて権(けん)を制するなり。
├03 兵とは詭道(きどう)なり。
└04 算(さん)多きは勝ち、算少なきは勝たず。しかるをいわんや算なきに於いてをや。
02 作戦篇(さくせん) - 外征軍を派遣するために必要な軍費と国家経済との関係について述べる篇 凡4章
├01 兵は拙速(せっそく)を聞くも、未だ巧久(こうきゅう)を睹(み)ざるなり。 →巧遅拙速
├02 智将は務めて敵に食(は)む。
├03 敵の貨(か)を取る者は利なり。
└04 兵は勝つことを貴びて、久しきを貴ばず。
03 謀攻篇(ぼうこう) - 実際の戦闘によらず、計略によって敵を攻略すべきことを説く篇 凡5章
├01 百戦百勝は善の善なるものにあらざるなり。 →百戦百勝
├─ 戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり。
├02 上兵は謀(ぼう)を伐つ。その次は交(こう)を伐つ。その次は兵を伐つ。その下は城を攻む。
├03 小敵の堅(けん)なるは、大敵の擒(とりこ)なり。
├04 将とは国の輔(たすけ)なり。
├05 彼を知り己(おのれ)を知れば、百戦して殆(あや)うからず。
├─ 彼を知らずして己を知れば、一勝一負(いっしょういっぷ)す。
└─ 彼を知らず己を知らざれば、戦うごとに必ず殆うし。
04 形篇(けい・軍形) - 自軍は不敗の態勢を維持しつつ、敵軍の敗形を待つ。軍の形勢を説く篇 凡4章
├01 昔いにしえ)の善(よ)く戦う者はまず勝つ可(べ)からざるを為して、以て敵の勝つ可きを待つ。
├02 勝兵はまず勝ちてしかるのちに戦いを求め、敗兵はまず戦いてしかるのちに勝ちを求む。
├03 善なる者は、道を修めて法を保つ。故に能(よ)く勝敗の正をなす。
└04 勝者の民を戦わしむるや、積水を千仞(せんじん)の谿(たに)に決するがごときは、形(けい)なり。 →千仞之谿
05 勢篇(せい・兵勢) - 軍全体の勢いによって勝利に導くことの重要性を説いた篇 凡6章
├01 衆を治むること寡(か)を治むるがごとくなるは、分数(ぶんすう)これなり。
├02 戦いは、正をもって合い、奇を以て勝つ。
├03 善(よ)く戦う者は、その勢(せい)は険(けん)にしてその節は短なり。
├04 紛紛紜紜(ふんぷんうんうん)、乱闘するも、乱る可(べ)からず。
├05 善(よ)く敵を動かす者は、之れに形(かたち)すれば敵必ず之れに従い、之れに予(あた)うれば、敵必ず之れを取る。
└06 善(よ)く戦う者は、之れを勢(せい)に求め、人に責(もと)めずして、之れが用を為す。
06 虚実篇(きょじつ) - 実によって虚を伐つための戦術を説いた篇 凡6章
├01 善(よ)く戦う者は、人を致(いた)して人に致されず。
├02 進むも迎う可(べ)からざる者は、其(そ)の虚を衝(つ)けばなり。
├03 能(よ)く寡(か)を以て衆を撃たば、則ち吾れの与(とも)に戦うところの者は約(やく)なり。
├04 これを蹟(あとづ)けて動静の理を知り、之れを形(あらわ)して死生の地を知る。
├05 兵を形(あらわ)すの極(きわみ)は、無形(むけい)に至る。
└06 兵の形(かたち)は水に象(かたど)る。
07 軍争篇(ぐんそう) - 敵に先んじて戦場に到達する戦術を説く篇 凡5章
├01 軍争の難(かた)きは、迂(う)をもって直(ちょく)と為し、患(かん)を以て利と為す。
├02 諸候の謀(ぼう)を知らざる者は、予(あらかじ)め交わること能(あた)わず。
├03 兵は詐(さ)を以て立ち、利を以て動き、分合(ぶんごう)を以て変を為す者なり。
├─ 疾(はや)きこと風の如く、その徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、
├─ 動かざること山の如く、知り難きこと陰(かげ)の如く、動くこと雷霆(らいてい)の如し。 →風林火山
├04 正正(せいせい)の旗を邀(むか)うること無く、堂堂の陳(じん)を撃つこと勿(な)し。 →正正堂堂
└05 高陵(こうりょう)には向かう勿(な)かれ。
08 九変篇(きゅうへん) - 九種類の臨機応変の対処法を説く篇 凡4章
├01 将、九変(きゅうへん)の利に通ずる者は、兵を用うることを知る。
├02 智者の慮(りょ)は必ず利害に雑(まじ)う。
├03 吾れの以て待つこと有るを恃(たの)むなり。
└04 将に五危(ごき)あり。 必死、必生、忿速(ふんそく)、廉潔(れんけつ)、愛民
09 行軍篇(こうぐん) - 軍の進止や敵情偵察など、行軍に必要な注意事項を述べる篇 凡8章
├01 四軍の利は、黄帝の四帝に勝ちし所以(ゆえん)なり。 ※中央:黄帝 東:蒼帝(青帝) 南:赤帝 西:白帝 北:黒帝
├02 凡(およ)そ軍は高きを好みて下(ひく)きを悪(にく)み、陽を貴(たっと)びて陰を賎(いや)しむ。
├03 上に雨ありて、水流至らば、渉(わた)るを止めて、其(そ)の定まるを待て。
├04 凡(およ)そ地に絶澗(ぜっかん)、天井(てんせい)、天牢(てんろう)、天羅(てんら)、
├─ 天陥(てんかん)、天隙(てんげき)あらば、必ず亟(すみや)かにこれを去りて近づくこと勿(な)かれ。
├05 軍行に険阻(けんそ)、溝井(こうせい)、葭葦(かい)、山林、翳薈(えいわい)あらば、
├─ 必ず謹(つつし)んでこれを覆索(ふくさく)せよ。これ伏姦(ふくかん)の処(お)る所なり。
├06 敵近くして静かなるはその険(けん)を恃(たの)めばなり。
├─ 遠くして戦いを挑(いど)むは、人の進むを欲するなり。その居(お)る所の易(い)なるは、利なればなり。
├07 利を見て進まざる者は、労(つか)れ倦(う)めるなり。
└08 慮(おもんぱか)りなくして敵を易(あなど)る者は、必ず人に擒(とりこ)にせらる。
10 地形篇(ちけい) - 地形の特性に応じた戦術の運用法と、軍隊の統率法を述べる篇 凡5章
├01 地の道は将の至任(しにん)なり。察せざる可(べ)からず。
├02 走、弛(し)、陥、崩、乱、北、凡(およ)そ此(こ)の六者は、天地の災(わざわ)いに非(あら)ずして、将の過(あやま)ちなり。
├03 進みて名を求めず、退(しりぞ)きて罪を避(さ)けず。
├04 卒(そつ)を視(み)ること嬰児(えいじ)の如し、故にこれと深谿(しんけい)に赴(おもむ)くべし。
└05 天を知り地を知れば、勝は乃(すなわ)ち全(まっとう)うす。
11 九地篇(きゅうち) - 九種の地勢の特色と、それぞれに応じた戦術を述べる篇 凡9章
├01 地形とは、兵の助けなり。
├02 利に合わば而(すなわ)ち動き、利に合わざれば而(すなわ)ち止む。
├03 其(そ)の愛するところを奪(うば)わば、則ち聴かん。兵の情は速(すみ)やかなるを主(しゅ)とす。
├04 凡(およ)そ客(かく)たるの道は、深く入ればすなわち専(もっぱら)にして、主人克(か)たず。
├05 勇を斉(ひと)しくし一の如くするは、政(せい)の道なり。剛柔(ごうじゅう)みな得(う)るは、地の理なり。
├─ 夫(そ)れ呉人(ごひと)と越人(えつひと)と相(あい)悪(にく)むも、其(そ)の舟を同じくして済(わた)りて
├─ 風に遇(あ)うに当たりては、その相(あい)救うや左右の手の如し。 →呉越同舟
├06 能(よ)く士卒(しそつ)の耳目(じもく)を愚(ぐ)にし、之れをして知ることなからしむ。
├07 兵の情(じょう)、囲まるれば則(すなわ)ち禦(ふせ)ぎ、已(や)むを得ざれば則ち闘い、過(す)ぐれば則ち従(したが)う。
├08 夫(そ)れ衆は害に陥(おちい)りて、然(しか)るのちに能(よ)く勝敗を為す。
└09 始めは処女の如く、敵人、戸を開くや、後は脱兎(だっと)の如くにして、敵は拒(ふせ)ぐに及ばず。 →脱兎之勢
12 火攻篇(かこう) - 火攻めの戦術を述べるとともに、戦争に対する慎重な態度の重要性を説く篇 凡4章
├01 およそ火攻(かこう)に五あり。 火人(かじん)、火積(かし)、火輜(かし)、火庫(かこ)、火隊(かたい)。
├02 凡(およ)そ軍は必ず五火(ごか)の変有るを知り、数(すう)を以て之れを守る。
├03 火を以て攻(こう)を佐(たす)くる者は明なり。
└04 亡国(ぼうこく)は以て復(ま)た存す可(べ)からず、死者は以てまた生(い)く可からず。
13 用間篇(ようかん) - 間諜(スパイ)を駆使し敵の実情を事前に察知することの重要性を説く篇 凡6章
├01 敵の情を知らざる者は、不仁の至りなり。人の将には非(あら)ざるなり。
├02 間(かん)を用うるに五有り。 因間(いんかん)、内間(ないかん)、反間(はんかん)、死間(しかん)、生間(せいかん)。
├03 三軍の事、間(かん)より親(した)しきは莫(な)く、賞は間より厚きは莫く、事は間より密なるは莫し。
├04 吾が間(かん)をして必ず索(さぐ)りて之れを知ら令(し)めよ。
├05 反間(はんかん)は厚くせざる可(ベ)からざるなり。
└06 明君・賢将のみ、能(よ)く上智を以て間者(かんじゃ)と為し、必ず大功を成す。
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■孫子(そんし) 1巻13篇
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01 計篇(けい・始計)
02 作戦篇(さくせん)
03 謀攻篇(ぼうこう)
04 形篇(けい・軍形)
05 勢篇(せい・兵勢)
06 虚実篇(きょじつ)
07 軍争篇(ぐんそう)
08 九変篇(きゅうへん)
09 行軍篇(こうぐん)
10 地形篇(ちけい)
11 九地篇(きゅうち)
12 火攻篇(かこう)
13 用間篇(ようかん)
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■孫臏兵法(そんぴんへいほう) 2篇30章(作成中)
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〔 〕の篇題は銀雀山漢墓竹簡整理小組、【 】は『孫臏兵法』(村山孚ほか/徳間書店)の編者による。
[上篇]
擒龐涓(きんほうけん)
見威王(けんいおう)
威王問(いおうもん)
陳忌問塁(ちんきるいもん)
簒卒(さんそつ)
月戦(げつせん)
八陣(はちじん)
地葆(ちほう)
勢備(せいび)
【兵情】(へいじょう)
行簒(こうさん)
殺士(さつし)
延気(えんき)
官一(かんいつ)
【強兵】(きょうへい)
[下篇]
十陣(じゅうじん)
十問(じゅうもん)
略甲(りゃくこう)
客主人分(かくしゅじんぶん)
善者(ぜんしゃ)
五名・五恭(ごめい・ごきょう)
〔兵失〕(へいしつ)
将義(しょうぎ)
〔将徳〕(しょうとく)
将敗(しょうはい)
〔将失〕(しょうしつ)
〔雄牝城〕(ゆうひんじょう)
〔五度九奪〕(ごどきゅうだつ)
〔積疏〕(せきそ)
奇正(きせい)
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