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『老子 -無知無欲のすすめ-』 老子/金谷治/講談社芸術文庫 …> [関連書籍] |
『老子』の思想は、人間は自然世界の万物のなかの一つであるという自然思想の立場をつらぬく。
したがって老子は、人間の知識と欲望が作りあげた文化や文明にたいして懐疑をいだき、鋭く批判する。
無知無欲であれ、そして自然に帰って本来の自己を発見せよ、という。 第一人者が説く老子の精髄。 |
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『老子』 老子/蜂屋邦夫/岩波文庫 …> [関連書籍] |
熾烈な戦国時代を生き抜く処世の知恵であり一種の統治理論であるが、同時に、世の中と
人間についての深い洞察力によって、人生の教科書ともいうべき普遍性を持っている。
ここで説かれる平和的で、自足、素朴なあり方は、時代を超えて人々の心に訴えかける。 |
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■老子(ろうし) - 生没年:前600 - 前470頃 姓:李 名:耳 字:聃または伯陽 出身地:楚国苦県厲郷曲仁里 …
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道家の源流であるが、その実在が疑われる伝説的人物。 『史記』(老子韓非列伝)によれば、
周の書庫の記録官だったが、国徳の衰えを見て官を辞し西方へ向かい、函谷関で関守尹喜の
頼みを受け『老子』上下篇5000余字を書き残したという。 唐代には宗室の祖とされ神格化した。
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■『老子道徳経』について …
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『老子』(2巻81篇)は老子の自著とされる。秦末漢初には存在しており、広く親しまれていたという。
その思想は深遠かつ難解であり、「無為自然」を尊び「柔弱謙下」を守り、殊更な仕業を否定する。
秦漢代には道家と黄老思想の源流として、漢魏以降には道教の経典として最重要の書物とされる。
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■本頁について
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『老子』 2巻81章のすべてについて、各章の概要・重要文句を抄出した。
各篇の章立て・書き下し・注釈は、『老子 -無知無欲のすすめ- 』(金谷治/講談社学術文庫)による。
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※本頁は上記本の補助的な目次・ガイドを目指し作成しています。現代語訳や注釈等は訳本をご確認ください。
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■老子(ろうし) 2巻81章
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■上篇(道経) 37章
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01章 道の道とすべきは、常の道に非(あら)ず。
名の名とすべきは、常の名に非ず。名無きは天地の始め、名有るは万有の母。
02章 天下みな美の美たるを知るも、斯(こ)れ悪のみ。 みな善の善を知るも、斯れ不善のみ。
03章 賢を尚(たっと)ばざれば、民をして争わざらしむ。 (中略)無為(むい)を為せば、則ち治まらざる無し。
04章 道は冲(むな)しきも、これを用うれば或(ま)た盈(み)たず。
(中略)其(そ)の鋭(えい)を挫(くじ)き、其の紛(ふん)を解き、其の光を和(やわら)げて、其の塵に同じくす。 →和光同塵
05章 天地は仁ならず、万物を以て芻狗(すうく)と為す。聖人は仁ならず、百姓(ひゃくせい)をもって芻狗となす。
多言は数々(しばしば)窮す、中を守るに如かず。
06章 谷神(こくしん)は死せず、是を玄牝(げんぴん・げんびん)と謂う。
07章 天は長く地は久し。天地の能(よ)く長く且(か)つ久しき所以の者は、其の自ら生ぜざるを以て、故に能く長生す。
08章 上善(じょうぜん)は水の若(ごと)し。 →上善若水(上善如水)
水は善(よ)く万物を利して而(しか)も争わず。衆人の悪(にく)む所に処(お)る。故に道に幾(ちか)し。
09章 持してこれを盈(み)たすは、其の已(や)むるに如(し)かず。
(中略)功成り名遂(と)げて身を退(しりぞ)くは、天の道なり。 類:久しく尊名を受くるは不祥なり(范蠡)、明哲保身
10章 營魄(えいはく)を載(やす)んじ、一を抱きて、能(よ)く離れること無からんか。(中略)是を玄徳と謂う。
11章 三十の輻(ふく)、一つの轂(こく)を共にす。其の無に当って、車の用有り。
(中略)有の以て利を為すは、無を以て用を為せばなり。 →無用の用
12章 五色(ごしき)は人の目をして盲ならしむ。
五音(ごいん)は人の耳をして聾ならしむ。五味は人の口をして爽(たが)わしむ。
13章 寵辱(ちょうじょく)には驚くが若(ごと)し。 大患(たいかん)を貴ぶこと身の若(ごと)くなればなり。
14章 これを視(み)れども見えず、名づけて夷(い)と曰(い)う。
これを聴けども聞こえず、名づけて希と曰う。これを摶(とら)うるも得ず。名づけて微(び)と曰う。
此(こ)の三つの者は詰(きつ)を致すべからず。故(もと)より混(こん)じて一と為る。
15章 古(いにしえ)の善(よ)く道を為す者は、微妙玄通(びみょうげんつう)、深くして識(し)るべからず。 →微妙玄通
16章 虚を致すこと極まり、静を守ること篤(あつ)し。 万物は並び作(お)こるも、吾れは以て復(かえ)るを観る。
17章 太上(たいじょう)は下(しも)これ有るを知るのみ。
其の次は親しみてこれを誉(ほ)む。其の次はこれを畏(おそ)る。其の次はこれを侮(あなど)る。
18章 大道廃(すた)れて仁義あり。
智慧出(い)でて大偽(たいぎ)あり。六親(りくしん)和せずして孝慈あり。国家昏乱(こんらん)して貞臣(ていしん)あり。
19章 聖を絶ち智を棄(す)つれば、民の利は百倍せん。
仁を絶ち義を棄つれば、民は孝慈に復せん。巧を絶ち利を棄つれば、盗賊あること無からん。
20章 学を絶てば憂い無し。唯(い)と阿(あ)と相い去ること幾何(いくばく)ぞ。
(中略)我れは独り泊(はく)として其(そ)れ未だ兆(きざ)さず、嬰児(えいじ)の未だ孩(わら)わざるが如し。
(中略)衆人は昭昭たり、我れは独り昏昏たり。
21章 孔徳の容は惟(た)だ道に是れ従う。
22章 曲なれば則ち全(まった)し。枉(おう)なれば則ち直し。窪(あ)なれば則ち盈(み)つ。敝(へい)なれば則ち新たなり。 →曲則全・曲全
少なければ則ち得られ。多ければ則ち惑(まど)う。
23章 希言(きげん)は自然なり。
飄風は朝(あした)を終えず、驟雨(しゅうう)は日を終えず。孰(た)れか此れを為す者ぞ、天地なり。
天地すら尚お久しきこと能わず、而(しか)るを況(いわ)んや人に於いてをや。
24章 跂(つまだ)つ者は立(た)たず、跨(また)ぐ者は行かず。
自ら見(あら)わす者は明(あき)らかならず、自ら是(よし)とする者は彰(あら)われず。
自ら伐(ほこ)る者は巧(こう)無く、自ら矜(ほこ)る者は長(ひさ)しからず。
25章 物有り混成し、天地に先んじて生ず。
26章 重きは軽(かろ)きの根(こん)たり。靜かなるは躁(さわ)がしきの君たり。
27章 善(よ)く行く者は轍迹(てっせき)なし。善く言う者は瑕謫(かたく)なし。善く数える者は籌策(ちゅうさく)を用いず。
善く閉ざす者は關鍵(かんけん)なくして而(しか)も不開くべからず。善く結ぶ者は繩約(じょうやく)なくして而も解くべからず。
28章 其の雄(ゆう)を知りて、其の雌(し)を守れば、天下の谿(けい)と為る。
29章 将(まさ)に天下を取らんと欲してこれを為すは、吾れ其の得ざるを見るのみ。
天下は神器なり。為すべからず、執(と)るべからず。為す者はこれを敗り、執る者はこれを失う。
30章 道を以て人主(じんしゅ)を佐(たす)くる者は、兵を以て天下に強いず。其の事は還(かえ)るを好む。
31章 夫(そ)れ兵は不祥の器にして、物或(ある)いはこれを悪(にく)む。 (中略)兵は不祥の器にして、君子の器に非ず。
32章 道は常に無名なり。 (中略)道の天下に在(お)けるを譬(たと)うれば、猶お川谷(せんこく)の江海に於けるがごとし。
33章 人を知るものは智なり、自らを知るものは明なり。
人に勝つ者は力あり、自ら勝つ者は強し。足るを知る者は富む。強(つと)めて行う者は志(こころざし)有り。 →知足 知足安分
其の所を失わざる者は久し。死して而も亡びざる者は寿(いのちなが)し。
34章 大道は汎(はん)として、其(そ)れ左右すべし。
35章 大象(たいしょう)を執(と)りて、天下を往(ゆ)く。往きて害あらず、安・平・大なり。
36章 将(まさ)にこれを歙(ちぢ)めんと欲すれば、必ず固(しばら)くこれを張れ。
将にこれを弱くせんと欲すれば、必ず固くこれを強くせよ。将にこれを廃せんと欲すれば、必ず固くこれを興(おこ)せ。
将にこれを奪わんと欲すれば、必ず固くこれを与えよ。是を微明という。柔弱は剛強に勝つ。
37章 道は常に無為(むい)にして、而(しか)も為さざるは無し。
欲あらずして以て静かならば、天下将(まさ)に自ら定まらんとす。
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■下篇(徳経) 44章
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38章 上徳(じょうとく)は徳とせず、是(ここ)を以て徳あり。下徳(かとく)は徳を失わざらんとす、是を以て徳なし。
上徳は無為(むい)にして、而(しか)して以て為すとする無し。 (中略)礼なる者は、忠信の薄(はく)にして乱の首(はじめ)なり。
39章 昔の一を得たる者は、天は一を得て以て清し、地は一を得て以て寧(やす)し、
神は一を得て以て霊なり、 谷は一を得って以て盈(み)つ。 万物は一を得て以て生ず。
其(そ)れ貴きは賤(いや)しきを以て本と為し、高きは下(ひく)きを以て基(もとい)と為す。
40章 反(かえ)る者は道の動なり。弱き者は道の用なり。 天下の万物は有より生じ、有は無より生ず。
41章 上士(じょうし)は道を聞けば、勤めてこれを行なう。
中士は道を聞けば在るが若(ごと)く亡きが若し。下士(かし)は道を聞けば、大いにこれを笑う。
(中略)大器(たいき)は晩成(ばんせい)し、大音(たいおん)は希声(きせい)、大象(たいしょう)は形無し。 →大器晩成
42章 道は一を生じ、一は二を生じ、三は万物を生じる。 万物は陰を負いて陽を抱き、沖気以って和を為す。
43章 天下の至柔(しじゅう)は天下の至堅(しけん)に馳騁(ちてい)す。
44章 名と身と孰(いず)れか親しき、身と貨と孰れか多(まさ)れる。 得ると亡(うしな)うと孰れか病(うれい)ある。
(中略)足るを知れば辱められず、止まるを知れば殆(あや)うからず。以って長久なるべし。 →止足の戒め
45章 大成は欠(か)くるが若(ごと)く、其の用は弊(すた)れず。
大盈(たいえい)は沖(むな)しきが若く、其の用は窮まらず。
大直は屈するがごとく、大巧は拙(つたなき)が若く、大弁は訥(とつ)なるが若し。
46章 天下に道有れば、走馬を却(しりぞ)けて以て糞(ふん)し、天下に道無ければ、戎馬(じゅうば)郊(こう)に生ず。
(中略)禍は足るを知らざるよりも大なるは莫(な)し。 (中略)故に足るを知るの足るは、常に足るなり。
47章 戸(こ)を出でずして天下を知り、牘(まど)を規(うかが)わずして天道を見る。
48章 学を為せば日々に益し、道を為せば日々に損ず。
これを損じて又た損じ、以て無為(むい)に至る。無為にして而(しか)も為さざるは無し。
天下を取るは、常に無事を以てす。其の事有るに及んでは、以て天下を取る足らざる。
49章 聖人は常に心無く、百姓(ひゃくせい)の心を以て心と為す。
50章 生に出でて死に入る。生の徒は十に三有り、死の徒も十に三有り。人の生きて、動きて死地に之(ゆ)くも、亦(ま)た十に三有り。
51章 道、これを生じ、徳、これを蓄(やしな)い、物、これを形づくり、器、これを成す。
是(ここ)を以て万物、道を尊びて徳を貴ばざるは莫(な)し。
道の尊きと徳の貴きは、夫(そ)れこれを命ずる莫くして、常に自ずから然(しか)り。
52章 天下に始め有り、以て天下の母と為すべし。
既に其の母を得て、以て其の子を知る。既に其の子を知り、復た其の母を守らば、身を没(お)うるまで殆(あや)うからず。
53章 我れをして介然として知有らしめば、大道を行くに、唯(た)だ施(ななめ)なるを是れ畏(おそ)れん。
大道は甚だ夷(たい)らかなるも、民は径(こみち)を好む。
54章 善く建てたるは抜けず、善く抱くは脱せず。子孫以て祭祀して輟(や)まず。
55章 含徳の厚きは、赤子(せきし)に比す。
56章 知る者は言わず、言う者は知らず。
その兌(たい)を塞ぎ、その門を閉じ、その鋭を挫き、その粉を解き、その光を和し、その塵に同じくす。これを玄同と謂う。 →和光同塵
57章 正を以て国を治め、奇を以て兵を用い、無事を以て天下を取る。
吾れ何を以て其の然(しか)るを知るや、此(こ)れを以てなり。
58章 其の政(まつりごと)悶悶(もんもん)たれば、其の民は淳淳(じゅんじゅん)たり。
其の政察察(さつさつ)たれば、其の民は缺缺(けつけつ)たり。
59章 人を治め天に事(つか)うるは、嗇(しょく)に若(し)くは莫し。
60章 大国を治むるは小鮮(しょうせん)を烹(に)るが若(ごと)し。
61章 大国は下流なり。
天下の交(こう)、天下の牝(ひん)なり。牝は常に静を以て牡(ぼ)に勝つ。静を以て下ることを為すなり。
62章 道なる者は万物の奥なり。
善人の宝なり。不善人の保(やす)んずる所なり。美言は以て尊(そん)を市(か)うべく、美行は以て人に加うべし。
人の不善なるも、何の棄(す)つることかこれ有らん。
63章 無為(むい)を為し、無事を事(こと)とし、無味を味わう。 小を大とし少を多とし、怨(うら)みに報(むく)ゆるに徳を以てす。
天下の難事は必ず易(やす)きより作(お)こり、天下の大事は必ず細より作こる。
(中略)軽諾(けいだく)は信寡(すく)なく、多易(たい)は必ず難多し。 →軽諾寡信
64章 其の安きは持し易(やす)し。其の未だ兆(きた)さざるは謀り易し。
聖人は為すこと無し、故に敗るることも無し。執(と)ること無し、故に失うことも無し。
65章 古(いにしえ)の善(よ)く道を為す者は、以て民を明らかにするに非ず。将(まさ)に以てこれを愚かにせんとす。
民の治め難きは、其の智の多きを以てなり。 智を以て国を治むるは、国の賊なり。
66章 江海の能(よ)く百谷(ひゃっこく)の王たる所以(ゆえん)の者は、其の善くこれに下るを以て、故に能く百谷の王たり。
聖人は、上に処(お)るも而(しか)も民は重しとせず、前に処るも而も民は害とせず。
67章 天下皆我れを大なるも不肖(ふしょう)に似たりと謂う。
夫(そ)れ唯(ただ)大なり。故に不肖に似たり。若し肖ならば、久しいかな其の細(さい)なるや。
我れに三宝有り、持してこれを保つ。一に曰く慈(じ)、二に曰く倹(けん)、三に曰く敢えて天下の先と為らず。
68章 善く士為(た)る者は武ならず。善く戦う者は怒らず。善く敵に勝つ者は与(くみ)せず。善く人を用うる者はこれが下と為る。
是れを不争の徳と謂い、是を人の力を用うると謂う。
69章 兵を用うるに言有り。 吾れ敢(あ)えて主と為らずして客と為る。敢えて寸を進まずして尺を退けと。
70章 吾が言は甚(はなは)だ知り易(やす)く、甚だ行ない易きも、天下能(よ)く知るもの莫(な)く、能く行なうもの莫し。
71章 知りて知らずとするは上なり。知らずして知るとするは病(へい)なり。
72章 民威を畏(おそ)れざれば、則ち大威至る。
73章 敢(あ)えてするに勇なれば、則ち殺され、敢えてせざるに勇なれば、則ち活かさる。 →対:義を見て為(せ)ざるは、勇なきなり(『論語』為政)
(中略)天網(てんもう)恢恢(かいかい)疎(そ)にして失わず。 →天網恢恢
74章 民、死を畏(おそ)れざれば、奈何(いかん)ぞ死を以てこれを懼(おそ)れしめんや。
75章 民の饑(う)うるは、其の上(かみ)の税に食(は)むの多きを以て、是(ここ)を以て饑う。
(中略)夫(そ)れ唯(た)だ生を以て為すこと無き者は、是(こ)れ生を貴ぶより賢(まさ)る。
76章 人の生まるるや柔弱、其の死するや堅強なり。
(中略)故に堅強なるものは死の徒(と)にして、柔弱なる者は生の徒なり。 (中略)強大は下に処り、柔弱は上に処る。
77章 聖人は、為すも而(しか)も恃(たの)まず、功成るも而も処(お)らず。其(そ)れ賢を見(あら)わすを欲せず。
78章 天下の水より柔弱なるは莫(な)し。
而(し)かも堅強を攻むる者、これに能(よ)く勝る莫し。其の以てこれを易(か)うるもの無きを以てなり。
79章 大怨(たいえん)を和して、必ず余怨(よえん)有るは、安(いずく)んぞ以て善と為す可(べ)けん。
(中略)天道に親(しん)なし、常に善人に与(くみ)す。 →対:天道、是か非か(『史記』伯夷列伝)
80章 小国寡民 (中略)隣国相い望み、鶏犬の声相聞こゆるも、民は老死に至るまで、相い往来せざらん。 →小国寡民
81章 信言(しんげん)は美ならず、美言(びげん)は信ならず。
善なる者は弁(べん)せず、弁ずる者は善ならず。知る者は博(ひろ)からず、博からず者は知らず。
聖人は積(つ)まず。既(ことごと)く以て人の為にして、己は兪々(いよいよ)有り。既く以て人に与えて、己は兪々多し。
天の道は、利して而(しか)して害せず、聖人の道は、為して而して争わず。
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『老子 -無知無欲のすすめ-』 老子/金谷治/講談社芸術文庫 …> [関連書籍] |
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『荘子物語』 諸橋轍次/講談社学術文庫 …> [関連書籍] |
孔孟の教えが五倫五常を重んじ秩序を固定化するのに対して、荘子の哲学は無為自然を基本とする。
二千三百年後の今日なお、社会の各分野で『荘子』が益々注目される所以がそこにある。
変幻龍のごとしと称されるその天下の奇文を、大儒諸橋博士が縦横に説いて余すところがない。 |
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『列子(上・下)』 列禦寇/小林勝人/岩波文庫 …> [関連書籍] |
『列子』八篇は道家思想を伝える代表的な古典であるが、「杞憂」「朝三暮四」「愚公移山」など
よく知られた絶妙な寓言・寓話が多く、滋味ゆたかな説話文学の一大宝庫ともなっている。
本書は原文と訓読文に細緻な校・注を付し、さらに分りやすい現代語訳を加えた良書である。 |
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『韓非子(1)~(4)』 韓非/金谷治/岩波文庫 …> [関連書籍] |
中国古代の法家思想の大成者とされる戦国末期の思想家韓非とその継承者の論著の集成。
人間とは自分の利益を追求する存在であるという非情な人間観から、歯切れのよい文章で、
法律・刑罰を政治の基礎だと説いてゆく。秦の始皇帝の法律万能の思想こそ、法家思想であった。 |
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『孫子』 孫武/浅野裕一/講談社学術文庫 …> [関連書籍] |
春秋時代の孫武が著わし、二千年以上も読み継がれた名高い古典は世界最古の兵法書として、
また人間界の鋭い洞察の書として親しまれ、今日もなお組織の統率法や心理の綾を読みとるうえで
必読とされている。 本書は、従来のテキストより千年以上も古い前漢武帝時代の竹簡文に基づく。 |
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『墨子』 墨翟/浅野裕一/講談社学術文庫 …> [関連書籍] |
春秋時代末期に墨子が創始し、戦国末まで儒家と思想家を二分する巨大勢力を誇った墨家の学団。
自己と他者を等しく愛せと説く「兼愛」や、侵略戦争を否定する「非攻」の思想を唱え独自の武装集団も
保有したが、秦漢帝国成立期の激動の中で突如、その姿を消す。 墨家の思想の全容と消長の軌跡。 |
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『諸子百家』 浅野裕一/講談社学術文庫 …> [関連書籍] |
春秋戦国を縦横無尽に駆け抜けた才智と戦略、自らの理想を実現すべく諸国を巡った諸子百家。
快楽至上主義の楊朱と兼愛の戦士・墨子の思想がなぜ天下を二分するほど支持されたのか。
新出土資料で判明した老子、孫子、孔子などの実像や、鄒衍・公孫龍らの思想も興味深く説く。 |
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『春秋左氏伝(上・中・下)』 小倉芳彦/岩波文庫 …> [関連書籍] |
『春秋左氏伝』は『春秋』の「伝」すなわち解説で、春秋時代(前七二二‐四八一)を中心とする
中国古代の史伝説話の宝庫である。中国では準経書として扱われ、我が国では古来歴史や
文学の源泉であった。その全文の格調高い現代語訳。本書には地図・系図・索引を完備。 |
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『菜根譚』 洪自誠/中村璋八・石川力山/講談社学術文庫 …> [関連書籍] |
本書は、「儒・仏・道」の三教を根幹とする『菜根譚』の真髄を体得して日常生活の指針とするため、
儒・道教の専門家と仏教、特に禅学を専攻する学者の二人が、長年に亙り原典を全面的に見直し、
これを究明し、新たに書き下ろした。 現世を生きぬく知恵と処世の極意が満載された必読の書。 |
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『春秋戦国志(上・中・下)』 安能務/講談社文庫 …> [関連書籍] |
中国故事名言の9割以上を産んだとされる春秋戦国時代はまた、国家形態の原型が造られ、
諸子百家などすぐれた思想家を輩出させた、世界的に稀有な時代でもあった。
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『中国古典名言事典』 諸橋轍次/講談社学術文庫 …> [関連書籍] |
厖大な中国の古典のなかから4,800余を精選、簡潔にして分かりやすい解説を付した名言名句集。
どの章句にも古典の英知・達人の知恵・人間のドラマが宿っており、人生の指針にみちている。
激動の時代を生きる現代人が座右に置いて、あらゆる機会に再読・三読すべき画期的な辞典である。 |
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