訴状
平成16年10月14日
帝国地方裁判所 御中
原告 金時 貢 (印)
〒999-9999
請求県行使市支払町大字民事字本人訴訟一番地
原告 金時 貢
〒000-0000
経営県過労市馬区搾取町一番二〇号
被告 株式会社 丸得システム・プランニング
代表者 代表取締役 不当 利得
未払賃金請求事件
訴訟物の価額 金3,536,462円
貼用印紙額 金23,000円
請求の趣旨
1 被告は、原告に対し、金1,768,231円及び、
うち金77,741円に対する平成14年10月26日から
うち金111,560円に対する平成14年11月26日から
うち金63,388円に対する平成14年12月26日から
うち金82,185円に対する平成15年1月25日から
うち金82,075円に対する平成15年2月26日から
うち金55,741円に対する平成15年3月26日から
うち金84,139円に対する平成15年4月26日から
うち金82,619円に対する平成15年5月24日から
うち金85,121円に対する平成15年6月26日から
うち金75,138円に対する平成15年7月26日から
うち金68,600円に対する平成15年8月26日から
うち金88,234円に対する平成15年9月26日から
うち金79,259円に対する平成15年10月25日から
うち金102,720円に対する平成15年11月26日から
うち金63,361円に対する平成15年12月26日から
うち金74,418円に対する平成16年1月24日から
うち金79,380円に対する平成16年2月26日から
うち金34,971円に対する平成16年3月26日から
うち金74,422円に対する平成16年4月24日から
うち金55,733円に対する平成16年5月26日から
うち金17,445円に対する平成16年6月26日から
うち金74,964円に対する平成16年7月24日から
うち金86,222円に対する平成16年8月26日から
うち金67,795円に対する平成16年9月25日から
いずれも平成16年9月30日まで年6パーセント、平成16年10月1日から支払済みまで年14.6パーセントの各割合による金員を支払え。
2 被告は、原告に対し、金1,768,231円及びこれに対する本裁判確定の日の翌日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決並びに1及び2項につき仮執行の宣言を求める。
請求の原因
第1 当事者
1 原告は、昭和51年1月生まれの男性で、平成12年8月23日から平成16年9月30日まで被告において勤務していた者である。
2 被告は、コンピュータ及び関連商品販売を目的とする株式会社で、資本金は、12億3000万円であり、1のとおり、原告を雇用していた者である。
第2 被告における所定労働時間、時間外手当等の定め
1 所定労働時間の定め
被告の就業規則(甲1号証)によれば、被告における所定労働時間は、1日8時間、(始業午前10時、終業午後7時、休憩時間正午から午後2時までの間において1時間)である(甲1号証・第28条)。但し、所属事業所により始業、終業時間は前後する。
また、所定休日は、
(1) 各月の日曜日回数に4日を足した日数(合計8日または9日)
(2) 夏季休暇(7月15日から8月15日までの間に2日)
(3) 冬季休暇(12月15日から1月15日までの間に3日)
(4) その他会社が指定した日
である(甲1号証・第30条)。
これにより、被告における平成14年から平成16年の年間所定休日は105日であった。
2 時間外手当の定め
被告の給与規程(甲2号証)細則3条1項の規定により
(1) 月間の平均所定労働時間を超えた午後10時までの労働 2割5分増し
(2) 午後10時以降、翌午前5時までの労働 5割増し
3 支払日の定め
被告における賃金は、前月の16日から起算し、毎月15日締めの25日払いである(甲2号証・給与規程第3条及び第4条)。但し、支払日が土曜・日曜・祝日に当たる場合は繰り上げて平日に支払われていた。
第3 原告が行った時間外労働
1 原告は平成14年9月16日から平成16年9月15日までの24ヶ月間に、別表1・時間外労働一覧表に記載のとおり、被告会社において、1日8時間を超えて労働を行った(甲3号証・タイムカード及び甲4号証・賃金台帳)。
原告の所属事業所の開店時間は午前10時30分、閉店時間は午後7時30分であるが、事業所長の監督下における通常の始業の号令(朝礼)は午前10時、終業の号令(終礼)は閉店後、各種業務、清掃を終えた午後8時以降であった。
第4 原告が支払いを受けるべき時間外手当
時間単価計算(労働基準法施行規則第19条4号「月によって定められた賃金については,その金額を月における所定労働時間数 月によって所定労働時間数が異る場合には,1年間における1月平均所定労働時間数で除した金額」による)被告における年間の所定労働日数は260日で、年間の労働時間2080時間である。
これにより、1月平均所定労働時間数は173.333時間(173時間18分)であった。
よって、時間単価計算は、「基本給÷173.333」を元に計算した。(但し、請求金額は1円未満切り捨て)
(1) 平成14年10月から平成15年4月まで
基本給198,500円÷173.333≒1,145円
(2) 平成15年5月
基本給207,500円÷173.333≒1,197円
(3) 平成15年6月から平成15年10月まで
基本給197,500円÷173.333≒1,139円
(4) 平成15年11月から平成16年9月まで
基本給195,000円÷173.333≒1,125円
1 時間外賃金請求額(別表2・請求金額計算一覧表)
@ 普通割増金額(各月の「勤務時間」から「1月平均所定労働時間」及び「深夜残業時間」を引いた時間に「2割5分増の時間単価」を乗じた金額)
A 深夜割増賃金額(各月の「深夜残業時間」に「5割増の時間単価」を乗じた金額)
B 既に領収済みの金額(時間外労働のうち、既に原告が被告より支払いを受けた金額)
(1) 平成14年10月分
@ 普通割増賃金額 77,430円
A 深夜割増賃金額 4,894円
B 既に領収済みの金額 4,583円
@ないしBの合計 77,741円
(2) 平成14年11月分
@ 普通割増賃金額 110,444円
A 深夜割増賃金額 1,116円
B 既に領収済みの金額 0円
@ないしBの合計 111,560円
(3) 平成14年12月分
@ 普通割増賃金額 71,848円
A 深夜割増賃金額 0円
B 既に領収済みの金額 8,460円
@ないしBの合計 63,388円
(4) 平成15年1月分
@ 普通割増賃金額 81,413円
A 深夜割増賃金額 772円
B 既に領収済みの金額 0円
@ないしBの合計 82,185円
(5) 平成15年2月分
@ 普通割増賃金額 89,667円
A 深夜割増賃金額 3,406円
B 既に領収済みの金額 10,998円
@ないしBの合計 82,075円
(6) 平成15年3月分
@ 普通割増賃金額 58,561円
A 深夜割増賃金額 0円
B 既に領収済みの金額 2,820円
@ないしBの合計 55,741円
(7) 平成15年4月分
@ 普通割増賃金額 90,478円
A 深夜割増賃金額 3,320円
B 既に領収済みの金額 9,659円
@ないしBの合計 84,139円
(8) 平成15年5月分
@ 普通割増賃金額 82,290円
A 深夜割増賃金額 329円
B 既に領収済みの金額 0円
@ないしBの合計 82,619円
(9) 平成15年6月分
@ 普通割増賃金額 92,092円
A 深夜割増賃金額 5,865円
B 既に領収済みの金額 12,836円
@ないしBの合計 85,121円
(10) 平成15年7月分
@ 普通割増賃金額 76,407円
A 深夜割増賃金額 1,537円
B 既に領収済みの金額 2,806円
@ないしBの合計 75,138円
(11) 平成15年8月分
@ 普通割増賃金額 70,285円
A 深夜割増賃金額 2,875円
B 既に領収済みの金額 4,560円
@ないしBの合計 68,600円
(12) 平成15年9月分
@ 普通割増賃金額 93,682円
A 深夜割増賃金額 4,584円
B 既に領収済みの金額 10,032円
@ないしBの合計 88,234円
(13) 平成15年10月分
@ 普通割増賃金額 82,173円
A 深夜割増賃金額 3,189円
B 既に領収済みの金額 6,103円
@ないしBの合計 79,259円
(14) 平成15年11月分
@ 普通割増賃金額 101,904円
A 深夜割増賃金額 16,537円
B 既に領収済みの金額 15,721円
@ないしBの合計 102,720円
(15) 平成15年12月分
@ 普通割増賃金額 68,576円
A 深夜割増賃金額 703円
B 既に領収済みの金額 4,918円
@ないしBの合計 64,361円
(16) 平成16年1月分
@ 普通割増賃金額 77,881円
A 深夜割増賃金額 0円
B 既に領収済みの金額 3,463円
@ないしBの合計 74,418円
(17) 平成16年2月分
@ 普通割増賃金額 82,849円
A 深夜割増賃金額 2,418円
B 既に領収済みの金額 5,887円
@ないしBの合計 79,380円
(18) 平成16年3月分
@ 普通割増賃金額 36,561円
A 深夜割増賃金額 2,081円
B 既に領収済みの金額 3,671円
@ないしBの合計 34,971円
(19) 平成16年4月分
@ 普通割増賃金額 77,834円
A 深夜割増賃金額 2,475円
B 既に領収済みの金額 5,887円
@ないしBの合計 74,422円
(20) 平成16年5月分
@ 普通割増賃金額 55,733円
A 深夜割増賃金額 0円
B 既に領収済みの金額 0円
@ないしBの合計 55,733円
(21) 平成16年6月分
@ 普通割増賃金額 21,585円
A 深夜割増賃金額 6,525円
B 既に領収済みの金額 10,665円
@ないしBの合計 17,445円
(22) 平成16年7月分
@ 普通割増賃金額 74,318円
A 深夜割増賃金額 646円
B 既に領収済みの金額 0円
@ないしBの合計 74,964円
(23) 平成16年8月分
@ 普通割増賃金額 84,537円
A 深夜割増賃金額 6,187円
B 既に領収済みの金額 4,502円
@ないしBの合計 86,222円
(24) 平成16年9月分
@ 普通割増賃金額 35,858円
A 深夜割増賃金額 1,940円
B 未払いの有給休暇賃金 39,000円
C 既に領収済みの金額 9,003円
@ないしCの合計 67,795円
(1) ないし(24)の総合計 金1,768,231円
第5 付加金
被告は、原告を含む従業員に対して、労働協定もなく労働基準法第32条及び第36条に違反して法定外の時間外労働を日常的に行わせ、且つ、所定労働日数を超えた勤務をさせていたにも係わらず、同法第24条及び第37条に違反して、その時間外労働に対して故意に割増手当を支払わないという扱いを相当以前から続けており、さらには時間外労働時間の計算方法についても法令の定める賃金の支払い原則に違反した独自の計算基準を設け、従業員の時間外労働について賃金の全額払いを行っていない。
被告は、各事業所長並びにその他従業員に対して、労働基準法その他、労働に関する法令の遵守を十分に教育、指導していない。取締役を含む役員及び直接に従業員の指導に当たる役職者もこれらを十分に理解しておらず、法令及び就業規則に違反する指示を三令五申し、それを是正する者もいない。
被告は、これら労働者の無知につけ込んだ行為を長期に渡り故意に行っている。
先に被告へ送付した内容証明郵便(甲5号証)による賃金支払請求に対しても、慣例、明示、黙示の有無に係わらず、「残業については申請書により、事業所長の承認を得ぬものは認めていない」「開店前30分間、閉店後45分間は残業の対象として認めていない」等々、法令に著しく違反した被告独自の規定を説明してその支払いに応じず、極めて悪質といえる。
よって、労働基準法第114条に基づき、上記未払賃金の元本と同額の付加金の支払いを求めるものである。
第6 結語
よって、原告は、被告に対し、
1 賃金請求権に基づき、平成14年9月16日から平成16年9月15日までの未払賃金合計 金1,768,231円及び各月の給与支払いの日の翌日である、
(1) うち金77,741円に対する平成14年10月26日から
うち金111,560円に対する平成14年11月26日から
うち金63,388円に対する平成14年12月26日から
うち金82,185円に対する平成15年1月25日から
うち金82,075円に対する平成15年2月26日から
うち金55,741円に対する平成15年3月26日から
うち金84,139円に対する平成15年4月26日から
うち金82,619円に対する平成15年5月24日から
うち金85,121円に対する平成15年6月26日から
うち金75,138円に対する平成15年7月26日から
うち金68,600円に対する平成15年8月26日から
うち金88,234円に対する平成15年9月26日から
うち金79,259円に対する平成15年10月25日から
うち金102,720円に対する平成15年11月26日から
うち金63,361円に対する平成15年12月26日から
うち金74,418円に対する平成16年1月24日から
うち金79,380円に対する平成16年2月26日から
うち金34,971円に対する平成16年3月26日から
うち金74,422円に対する平成16年4月24日から
うち金55,733円に対する平成16年5月26日から
うち金17,445円に対する平成16年6月26日から
うち金74,964円に対する平成16年7月24日から
うち金86,222円に対する平成16年8月26日から
うち金67,795円に対する平成16年9月25日から
いずれも平成16年9月30日まで商事法定利率年6パーセントの割合による遅延損害金
(2) 各未払賃金に対して、退職日の翌日である平成16年10月1日から支払済みまで「賃金の支払いの確保等に関する法律」6条1項の年14.6パーセントの割合による遅延損害金
2 労働基準法第114条に基づき未払賃金合計 金1,768,231円及び本裁判確定の日の翌日から支払済みまで年5パーセントの割合による遅延損害金
の支払いを求めて、本訴に及ぶ次第である。
証拠方法
甲1号証 従業員就業規則 写し
甲2号証 給与規程 写し
甲3号証 タイムカード 写し
甲4号証 賃金台帳 写し
甲5号証の1 内容証明書郵便 写し
甲5号証の2 内容証明書郵便 配達証明 写し
その他、口頭弁論において提出する。
添付書類
1 甲号証写し 各1通
2 現在事項全部証明書 1通
別表
1 時間外労働一覧表
2 請求金額計算一覧表
....
本人訴訟において、訴状の作成は大変な難関です。私自身何度も書き直しては裁判所へ足を運び、
書記官に内容を確認していただきました。 特に分かりづらいと思われる点について解説しておきます。
(1)「訴状」について
「訴状」や「準備書面」などの書面は、A4用紙に印刷して作成します。
各項の下段にはページ数が分かるように番号を振り、左側の上下二ヶ所をホッチキスで綴じます。
尚、これらの書面は、原告・被告・裁判所用に三部ずつ作成する必要があります。
(2)「訴訟物の価額」について
請求価額です。本訴では「2年分の未払い賃金額」+「付加金」を併せて請求しています。
書籍や他サイトでは、「請求価額に含めず、訴状に付加金の支払いについて記載し、請求する」
といった解説もあります。付加金の定義からすれば、この説明は正しいものと思います。
(「付加金」を含めなければ、「訴訟物の価額」が半減するので、「貼用印紙額」も減少します)
私の場合、裁判所担当者も付加金について詳しくなく、協議の結果、請求価額に含めることにしました。
恐らく、このやり方は間違いだったのでしょうが、結果として和解協議でも請求価額全体について
話し合いすることができたので、本来の未払い賃金額の100%+αで回収ができたのだと思います。
(「訴訟物の価額」に含めたことに対して、裁判官や被告代理人からの指摘もありませんでした)
(3)「貼用印紙額」について
訴状に添付する印紙額です。請求金額により変動しますので、裁判所に確認してください。
(印紙額は、概ね請求価額の1%程度です。裁判費用については安価な事案なので安心してください)
(4)「請求の趣旨」「請求の原因」について
本書面を参考に、お勤めの会社の就業規則等に沿って記載してください。
未払い賃金の計算については非常に面倒ですが頑張りましょう。
(5)「利息」「遅延損害金」について
未払い賃金には、商事法定利率による利息が発生します。ただし和解した場合、訴訟費用等を含めた
一定額の支払いで合意することになるので、それほど重要ではありません。記載しなくても支障なし?
(本訴では法定利率の計算を省きましたが、計算すれば当然に額面は増えます。 ・・失敗したかな)
(6)添付書類「現在事項全部証明書」について
被告会社の登記簿謄本です。お近くの法務局で取得できます。(1,050円)
(7)別表「時間外労働一覧表」「請求金額計算一覧表」について
担当官から「一覧が欲しい」言われて急遽作成したのですが、非常に面倒で苦労しました。
特に決まった雛形・様式はないので、Excel等で適当に作成し、提出してください。
(これら一覧表の提出は必須ではありません。裁判所の求めに応じて作成してください)
「被告 答弁書」へ進む …>
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