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残業代の計算方法(2) 未払い賃金額の算出 |
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実際に就業した「総労働時間」から「所定労働時間」を差し引いたものは、すべて「時間外労働」です。
(1) 年間所定労働日数 260日(2,080時間)を超えた出勤に対する賃金手当 (2割 5分増し)
※会社規程が労働基準法第35条の定めを上回る条件であるため、3割
5分増しではない点に注意。
(2) 1日の所定労働時間である 8時間を超えて行った労働の内、午後10時までのもの (2割 5分増し)
(3) 1日の所定労働時間である 8時間を超えて行った労働の内、午後10時以降のもの (5割増し)
(4) 有給休暇を使用したにも係わらず、未払いとなっている有給休暇の賃金 (割増なし)
賃金債権の時効は2年ですので、残念ながら過去2年間の未払い分についてのみしか請求できません。
(ただし訴訟や労基署を利用しない場合であれば、在籍中の全ての期間分を請求しても構いません。
これは、会社が2年の時効を援用するには、裁判所を通して主張する必要がある為です)
未払い額を算出するために、先ずは「賃金台帳」と「タイムカードの写し」が必要になります。
それら勤務の実態を Excelや残業計算専用のフリーソフトを使い一覧表にまとめていきます。
この時、上記(1)については、1 「各月の総出勤日数×8時間」で月間の実労時間を求め、そこから
2 月間平均所定労働時間である、「月間平均所定労働日数(21.666)×8時間≒173.333」を引いたものに、1.25を乗じて出勤過多に対する手当を求めます。 これは、一般にいう残業とは性質が異なるため、計上を忘れがちですので注意してください。
(2)(3)については、問題ないかと思います。 最後に時間外手当の総額から、「賃金台帳」に記載された既に受領済みの残業代を差し引いて、未払い賃金額を算出します。
※(4)については、ただただ、あきれ返るばかりです… 次回、少額訴訟でお会いしましょう。
請求金額の計算は、最も時間がかかる作業であり、最も重要な作業でもあります。
金額も分からないままでは、請求したところでまったく意味がありません。(未払い額の計算は絶対に会社任せにしてはいけません。法令遵守に疎いものが、適正な金額を計算できるとは思えませんし、できていれば、こうして争う必要もなかったはずです)
未払い賃金額が自分の予想を超えたものであることが分かれば、不正な搾取に対する怒りと、回収への意気込みが違ってくるはずです。
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1. 月間所定労働時間 173.333時間(10,398分)
2. 実際の月間労働時間 200時間(12,000分)
3. その内、深夜残業時間 3時間(180分)とした場合
総労働時間 -深夜残業 -所定労働時間=通常残業時間
200:00(12,000) -3:00(180) -173:18(10,398)=23:42(1,422)
上記で求めた「通常残業時間」には、「1日8時間を超えて行った労働」と「月間の所定労働時間を超えて行った労働」のふたつが混在していますが、どちらも 2割5分増しとなるので、混同で計算しても支障ありません。 午後10時以降の「深夜残業」は 5割増しとなります。
あとは賃金台帳や給与明細の残業時間・支給額と見比べ、残業代の未払いを洗い出しましょう!
※私の未払い賃金の総額(約177万円)は、全従業員のなかでもかなり少ない部類になるかと思います。 月に7日は休んでいましたし、出勤も朝礼
5〜10分前くらいで、特別な用事がない限り、午後8時30分前には帰れていました(在職中から、争いになった場合の対処に自信があり、文句を言い続けたからだというのもありますが)。 なかには、休日5〜6日、開店
1時間前の出勤で、午後9時、10時までの勤務が当たり前という事業所もあると聞いています。 そういった方々は、(2年間で)未払い賃金額が
300万円以上に及んでいるはずです。 これはもう、年収並みの金額ですね。
残念ながら、私はこれを見逃すほど寛容ではありませんので、キッチリと請求していくことにしました。
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